疾患

日本人の疾患による死因を考えてみる

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現在の疾患による死因

 

日本人の死因として挙げられる三大疾患は皆さんご存じですね。

三大疾患

悪性新生物(がん) 28.7%

心疾患 15.2%

悩血管疾患 8.7%

2015年(平成27年)厚生労働省白書

 

実はこの年の死因の第3位に肺炎(9.4%)が入りました。

平成22年迄は三大疾患が上位を占めていましたが、肺炎は昭和60年前後から漸増し始め、平成23年に悩血管疾患を上回ってきています。

悪性新生物については1980年(平成55年)頃に死因の第1位となり、その時点では人口10万人あたり140人ほど、2015年(平成27年)には人口10万人あたり300人近くに倍増しています。

 

かつての死因は感染症

 

昭和の初め1925年頃の死因の上位内訳は以下の通りでした。

 

胃腸炎、肺炎、結核、悩血管疾患、悪性新生物、心疾患…

 

上位3つは感染症によるものでした。

更に数年前の1918~1920年(大正7~9年)にインフルエンザが猛威をふるい(パンデミック)、39万人が死亡したと言われています(最近の研究では48万人とも言われる。当時の日本の人口は5,500万人)。

所謂、スペイン風邪です。

 

感染症の克服

 

1935年(昭和10年)に合成抗菌剤であるサルファ剤が開発され、1942年(昭和17年)には、ペニシリンが開発されました。

また、1944年(昭和19年)は結核菌に有効なストレプトマイシンが開発されました。

その後もテトラサイクリン、クロラムフェニコール、マクロライド系、ポリペプチド系、リンコマイシン系、セファロスポリン系と、次々と開発され、感染症による死亡は激減しました。

衛生意識の向上も

 

また、昔は目にみえない細菌やウイルスに対し、人々は無防備で知識も低かったことで、食中毒による死亡もたいへん多かったようです。

1960年(昭和35年)頃まで食中毒による死亡者数は200~300人程でした。

ここ最近は0~19人であり、時折、腸管出血性大腸菌(O-157)の集団食中毒等がある程度です。

最近は衛生意識が向上し、食品の期限管理や適切な保存方法、調理方法が浸透し、食中毒も激減しました。

 

悪性新生物はなぜ増えているのか

 

近代より医学、薬学が発展し、特に戦後目覚ましく進化しています。

最近はバイオテクノロジーの発展が目覚ましく、バイオ医薬品も多く開発されています。

ヒトの身体の仕組みもかなり細かく解明され、ノーベル賞に繋がったiPS細胞や免疫機能を利用した治療も現実となりました。

それにともない、日本人の平均寿命は漸増しています。

1947年(昭和22年)の日本人の平均寿命は、男性51.76歳、女性55.62歳でした。

2016年(平成28年)では、男性80.98歳、女性87.14歳です。

 

 

感染症による死亡はかなり減りました。心疾患、悩血管疾患に対する治療方法や予防医学も進化し、特に悩血管疾患による死亡割合は減少しています。

その中で悪性新生物(がん)については、未だ有効な治療方法は少なく、長寿社会においては死因となる確率が増えているのが現状です。

長生きすれば他の疾患は克服できても、いつかは悪性新生物(がん)が発生し、死に至るという訳です。

しかしながら、ノーベル賞にみる新たな治療方法が出て来ていますので、日本人の平均寿命はまだまだ延びるのではないでしょうか。

 

最近増加する肺炎や結核

 

冒頭で最近肺炎による死亡者数が増加しているとの話をしました。なぜ増加しているのでしょうか。

 

免疫力の低下

 

日本人の平均寿命は世界トップクラスです。2018年の100歳以上の人口は、なんと6万9785人であり、うち女性が88%を占めています。

 

小悪魔
長生きしなきゃ♡

 

しかし、高齢になればなるほど、加齢により免疫力が低下します。

そして、感染症の機会を増やします。

最近は抗菌剤が効かない耐性菌も種類が増え、高齢者の肺炎は命取りになっているのです。

 

誤嚥性肺炎の危険性

 

加齢に伴い筋力の低下による嚥下機能の低下が起こります。

誤嚥した食物により肺炎を引き起こします。

特に口腔内の雑菌が大きな影響を及ぼしていることが知られています。

 

 

喫煙歴の影響

 

現在の日本の高齢者は喫煙歴の長い世代であり、閉塞性肺疾患(COPD)の罹患も増加しています。

肺の機能が低下しており、免疫力も低く、肺炎が治りにくくなっている一因と考えられます。

 

高齢者が免疫力を維持するには

 

肺炎球菌ワクチンの摂取は大切なので、絶対に忘れないようにしてください。

その他に免疫力の低下を抑制する対策として、適度な運動、抗酸化作用のある食品やサプリメントの摂取が挙げられます。

ビタミンC、Eやポリフェノールなどの抗酸化作用のあるフィトケミカルの利用も良いでしょう。

 

正しい知識と生活習慣を

 

長生きしたいと思う人は多いと思います。

病気になりにくい身体をきちんと作り、健康寿命を伸ばすことが重要です。

毎日の食生活や適度な運動は基本中の基本。

喫煙や飲酒のような身体にダメージを与える物質は絶対に避けること。

身体を清潔にする、食品衛生に気を配る、人混みを避けるなど、衛生意識を高く持つこと。

精神的ストレスなど免疫力を低下させる要因を取り除くこと。

正しい知識を持ち、自身で病気にならないよう、セルフメディケーションを心がけましょう。

 

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  • この記事を書いた人
はねかわ

はねかわ

医療の世界に身を置き、常に情報収集。エビデンス情報が確かな承認医薬品に加え、積極的なエビデンス収集がなされにくいサプリメントや健康食品にもスポットを当て、予防医学、プレメディケーションの分野に貢献できればと考えています。専門分野は薬学、有機化学。薬学修士。

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