食べても太らない人、いますね。彼ら彼女らが大切にお腹に飼っているのが「やせ菌」。
特にアッカーマンシア・ムシニフィラは「やせ菌」の代表格です。
アッカーマンシア・ムシニフィラvはほとんどの人の体内に存在していますが、食生活の違いにより存在する割合が全然違うんです。
どうしたらアッカーマンシア・ムシニフィラの数を増やして、太りにくい身体になれるのでしょうか?
アッカーマンシア・ムシニフィラとは
アッカーマンシア・ムシニフィラは腸内細菌で、いわゆる「やせ菌」として知られています。
ウィキペディアにはアッカーマンシア属(Akkermansia)の代表菌種とあります。
グラム陰性嫌気性菌で腸管の表面の粘液であるムチン(糖タンパク)を分解し栄養補給しながら生息しているようです。
4,000種類100兆個と言われる腸内細菌の1~4%(あるいは3~5%)存在するとされ、存在割合の増減がヒトの代謝もしくは疾患に何らかの影響を及ぼすことが分かっています。
炎症性疾患との関連性
アッカーマンシア・ムシニフィラは抗炎症作用を有するとされ、生息割合の低下と虫垂炎(盲腸)の重症化が相関することが明らかとなっています。
腸粘膜は体内侵入(感染)を防御しており、アッカーマンシア・ムシニフィラの減少はバリア機能の弱体化に繋がるようです。
肥満や糖尿病との関連性
アッカーマンシア・ムシニフィラの割合が少ない人は体重やBMI、血中コレステロール値、空腹時血糖値が高くなることが明らかとなっています。
肥満体質の人にはアッカーマンシア・ムシニフィラの割合がゼロに近い人も多くいるようです。
また、肥満の人でもアッカーマンシア・ムシニフィラの割合が多い場合、カロリー制限の食事療法によるインスリン抵抗性の改善効果が高いことも知られています。
肥満マウスを使った試験において、高脂肪の同じ餌を与えたにもかかわらず、アッカーマンシア・ムシニフィラの存在割合を増加させることで、脂肪量を半減させる効果が有ることも示されています。
これらの実験において、超粘膜の粘液層の厚さや機能に違いはなく、アッカーマンシア・ムシニフィラの存在の有無のみの違いで生じた結果なので、アッカーマンシア・ムシニフィラが何らかの影響を及ぼしたものと結論付けられています。
抗菌剤と肥満との関係
抗菌剤の投与で腸内細菌叢のバランスが破壊されます。ある疾患で抗菌剤の投与で一命を取り止めた人がその後アレルギーや自己免疫疾患、肥満など体質が変化した例が有ります。
また1940年代のアメリカでは、ニワトリやウシ、ブタなどの家畜に抗生物質入りの餌を投与することで成長が促され、盛んに使用された時期がありました。
これも動物の腸内細菌叢に影響を及ぼし、太り易い家畜となった可能性が有ります。
その肉を食べた人へも抗生物質が入り、アメリカ人の肥満率の急激な上昇と関連性があるのでは?と考えられています。
アッカーマンシア・ムシニフィラを増やす方法
アッカーマンシア・ムシニフィラを直接摂取することは困難なようです。なので、腸内に住み着いているアッカーマンシア・ムシニフィラを増やす方法を考えた方が良さそうですね。
アッカーマンシア・ムシニフィラをはじめとする腸内細菌は、我々が摂取する食べ物で腸内まで届くものをエサとします。
人が消化しにくいものの代表が食物繊維です。食物繊維は腸管を通過し、細菌叢を整え、便秘や下痢などの消化器症状を改善します。
またいグルコースのような単糖類やショ糖などの二糖類は十二指腸あたりで速やかに吸収されますが、フルクトオリゴ糖のような三糖類は腸管まで到達し、腸内細菌を増加させます。

アッカーマンシア・ムシニフィラは特に水溶性食物繊維(生野菜やキノコ類に多く含まれる)やレジスタントスターチ(難消化性澱粉)を好むようです。
また魚油も良いとされます。EPAやDHAはサプリメントとして入手可能ですね。


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