アニサキスについて
アニサキスはもともとクジラやイルカ、アザラシのような海生哺乳類を宿主として、腸内に成虫が繁殖しています。
その卵が海中に排泄し、幼虫がオキアミのような大型プランクトンに捕食されます。
更に小型の魚類やイカに捕食され、更に大きな海洋生物に食物連鎖により捕食され、宿主が変わっていきます。
最終的に海生哺乳類に戻るのですが、その途中の宿主がヒトにより捕獲され、種々の条件で生きたままヒトの胃袋に入り感染します。
日本人は刺身等の生食文化があることから、古くよりアニサキス感染症があったことが推定されます。
近代になり、胃の開腹手術により発見される機会が増え、更に内視鏡の生検用鉗子での摘出が可能となった1970年代に、予想以上に多いことが明らかとなりました。
特に多い食材として、サバ、イワシ、サンマ、サケ、マス等の青魚やイカ、筋子が挙げられます。
海洋にいるアニサキスですから、海洋以外で養殖した魚は安全性が高いようです。
アニサキス感染症の症状
アニサキスは胃壁や腸壁から刺入(食い破る)し体内組織に侵入します。
急性胃アニサキス症
急性腸アニサキス症
(厚生労働省HPより)
アニサキスアレルギー
サバなどの魚によるアレルギーの原因が魚自体ではなく、アニサキスの成分が原因となっているケースがあるとのことです。
たとえアニサキスがいなくてもアレルギー症状が発現します。
アニサキス感染症の治療
アニサキス感染症に有効な治療薬は有りません。
前述のように胃内であれば内視鏡による摘出が可能です。腸アニサキスの場合、開腹手術が必要なケースもあるようです。
腸が酷くむくんでイレウス(腸閉塞)となるケースが稀にあり、吐き気や嘔吐、下痢などの症状が発現します。
命に関わりますので、その場合は速やかに開腹手術を行う必要が有ります。
アニサキス感染の予防法
- 鮮度の良い魚を食べましょう。
- 魚の内臓の生食は避けましょう。
- アニサキスがいないか目視確認を!
- 冷凍による処理が有効です(-20℃ 24時間以上)
- 加熱しましょう(70℃以上、60℃1分以上)

