β-クリプトキサンチンについて
β-クリプトキサンチンはβ-カロテンに水酸基(-OH)が一つ付いた構造でカロチノイドの仲間になります。体内でビタミンAに変換されるので、プロビタミンAとも呼ばれます。
このβ-クリプトキサンチンには健康に良い働きが詰まっていることが最近わかってきました。
カロテン類
キサントフィル類)
β-クリプトキサンチンを含む食物
β-クリプトキサンチンは野菜や果物に含まれています。中でも温州ミカンには1,800㎍/100g含有されています。その他の食物では以下の通りです。
温州ミカン | 1,800㎍/100g |
ポンカン | 1,000㎍/100g |
パパイア | 820㎍/100g |
柿 | 500㎍/100g |
赤ピーマン | 230㎍/100g |
ネーブル | 210㎍/100g |
はっさく | 170㎍/100g |
バレンシアオレンジ | 130㎍/100g |
夏みかん | 120㎍/100g |
柑橘類に多く含まれいることがわかりますが、特に温州ミカンの含有量が別格です。特に外皮に多く含まれています。しかし、外皮は大抵捨ててしまいますよね。因みにミカンの外皮を干して乾燥させたものは陳皮という漢方薬になります。β-クリプトキサンチンの他、ヘスペリジン、ルチン等のフラボノイドを含み、血圧降下作用や鎮咳、芳香健胃薬として利用されます。
β-クリプトキサンチンの効用
糖尿病リスクの軽減効果
温州ミカンの産地である静岡県旧三ヶ日町で実施された「三ヶ日町研究」では、調査開始時に2型糖尿病を発症していない被験者に対する血中β-クリプトキサンチン濃度と2型糖尿病の発症リスクとの関連性について、高濃度のグループの発症リスクは低濃度のグループに比べて優位に低い結果でした。
脂質異常症の発症リスクの軽減効果
上述の「三ヶ日町研究」において、脂質異常症の発症リスクとの関連性についても同様に、高濃度のグループの発症リスクは低濃度のグループに比べて優位に低い結果でした。脂肪細胞の肥大化の抑制作用や、脂質および中性脂肪合成に関わる遺伝子発現を抑制作用による中性脂肪およびLDLコレステロールの減少効果が考えられています。
骨の健康にも効果
β-クリプトキサンチンの骨の代謝に良い影響を与えることが明らかとなり、生鮮食品で初めて「三ヶ日みかん」が骨の健康に役立つ機能性表示食品として発売された、とのことです。
発がんの抑制効果
β-クリプトキサンチンのがんの抑制効果について、研究が進んでいます。発がんの原因でる活性酸素を消去する抗酸化作用を有すること、発がん性物質の代謝を促進すること、がん抑制遺伝子を活性化すること等で、発がんが抑制されるとのことです。


