異所性脂肪という第三の脂肪が存在します。
臓器や臓器の周辺、骨格筋に付きこともあります。
色々な疾患の原因にもなりますので、正しく理解し減らしましょう。
異所性脂肪とは
Ectopic fat
脂肪と言えば皮下脂肪と内臓脂肪が思い浮かびますが、第三の脂肪が有ります。それが異所性脂肪です。
健康な身体であれば、量の違いはあれど皮下脂肪が有ります。皮下脂肪にはエネルギーの貯蔵や体温の維持等の重要な役割が有ります。
皮下脂肪に蓄えきれない脂肪分は内臓脂肪として蓄えられます。内臓脂肪は主にお腹の腸間膜に蓄積していきます。

腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準に用いられます。
通常、皮下脂肪が付き、次に内臓脂肪が付いていきますが、蓄積量には限界が有ります。
特に日本人は皮下脂肪が付きにくいと言われています。そのため、それほどの肥満では無いにもかかわらず、糖尿病に罹患しやすいと言われます。
更に余剰の脂肪分が存在すれば、排泄されず更に通常脂肪が付かない部位に脂肪が付き始めます。
これが異所性脂肪となります。
異所性脂肪の存在部位
通常の健康状態では、内臓には脂肪は付かないのですが、余剰で行き場を失った脂肪は心臓、肝臓、すい臓といった臓器自体、またはその周辺部位に異所性脂肪として蓄えられます。
また、骨格筋に蓄積することも有ります。
これらの部位は本来脂肪が蓄積すべき部位ではなく、脂肪毒性による臓器や組織の障害を引き起こす原因となります。
異所性脂肪による弊害
異所性脂肪は臓器や組織の細胞に障害を及ぼすと言われます。
細胞の炎症、繊維化、細胞死の誘因、がん化等が発現するようです。
「脂肪肝」は聞き覚えのある言葉だと思います。
脂肪肝がやがて肝硬変や肝がんに繋がる可能性が有ります。
心臓において、「脂肪心筋」は心不全や不整脈、虚血性心疾患の原因となります。
同じく膵臓での「脂肪膵」は慢性膵炎の発症の危険性が有ります。
筋組織において「脂肪筋」とは霜降りのような状態と推測されます。
脂肪筋では運動機能の低下や2型糖尿病の発症リスクが有ります。
その他、血管の周囲に蓄積した「血管脂肪」は、動脈硬化を引き起こす原因となります。
異所性脂肪を減らす方法
異所性脂肪の原因は一言で言えばエネルギーの摂り過ぎです。
エネルギーの摂り過ぎとは摂取量が多い場合と消費量が少ない場合、またはその両方が考えられます。
つまりは食事療法と運動療法によるエネルギー消費量の調整により改善可能です。
異所性脂肪と内臓脂肪は皮下脂肪より落としやすいと言われています。
カロリー制限と運動量の増加により、日々適度なエネルギー消費を心がけて、ゆっくりと改善しましょう。
無理なダイエットは超危険ですので、毎日の生活習慣の改善で地道に健康を取り戻すことが肝要です。


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