フレイルとは?
フレイルは下記のような状態を意味しています。
人は加齢とともに心身の活力、即ち、運動機能や認知機能などが低下していきます。また、高齢になると複数の慢性疾患を罹患する場合が多くなります。それらの疾患などの影響もあって、生活機能に障害が生じます。それに伴って、心も身体も脆弱な状態に陥ってしまいます。しかしながら、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状況にもなります。
(厚生労働省研究班による定義より)
フレイルの判断基準の例を挙げます。
フレイルの基準例(1)
- 体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
- 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
- 歩行速度の低下
- 握力の低下
- 身体活動量の低下
◇5項目のうち、3項目以上が当てはまるとフレイル
◇1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイル
フレイルの基準例(2)
- 体重減少…6ヶ月で2~3kg以上体重が減った
- 疲労感…「わけもなく疲れた」と感じる
- 筋力(握力)の低下…利き手の測定で男性26kg未満、女性18kg未満
- 歩行スピードの低下…1m/秒未満の場合(前後1m前後の助走路と、測定期間5mで計測)
- 身体の活動量の低下…1週間に軽い運動や体操や定期的な運動やスポーツをしていない
◇5項目のうち、3項目以上が当てはまるとフレイル
◇1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイル
フレイルの基準例(3)
- 食欲がなく、やせてきた気がする
- なかなか疲れがとれなくなってきた
- 歩くのが遅くなった(青信号の間に横断歩道を渡りきれない)
- 力が入らなくなってきた(買い物したものを運ぶのが大変 瓶のふたやペットボトルのキャップがあけられない)
- 出かけるのがおっくうになった(人と接する機会が減った 定期的に運動していない)
上記のチェックに当てはまらなくても現在、5つ以上の病気で治療中の方もフレイルの可能性
高齢者のフレイルは認知症の危険因子
フレイルとアルツハイマー病の脳病変、認知症診断との関係に関する研究結果が「The Lancet Neurology」に掲載されました。
フレイル指数が高い人は、アルツハイマー病の脳病変と認知症の症状の両方を有する確率が高く、アルツハイマー病の脳病変があってもフレイルではない人は、認知症の症状を示す確率が低いことが明らかになったとのことです。


フレイルと味覚障害との関係についてはこちらをご覧ください。。