葉酸
葉酸はビタミンBの一種でホウレンソウから発見されました。
テトラヒドロ葉酸が補酵素として働きます。
妊娠中や授乳中には一日必要量が増加するため、欠乏症に注意が必要となります。
葉酸の役割
葉酸はDNA合成に重要な働きをしています。
特にDNA合成が盛んな造血機能には欠かせないビタミンになります。
また、ビタミンB12は葉酸を再生させる機能を持つビタミンです。
どちらが欠乏しても貧血等の造血因子への影響が出てきます。
葉酸欠乏症
赤芽球性貧血(葉酸欠乏性貧血)、免疫機能の低下、消化管機能異常、妊娠期においては胎児への神経管閉鎖障害や無脳児発生リスク上昇が挙げられます。
症状は疲労、めまい、息切れ、舌炎,抑うつ、錯乱、認知症、下痢等が発現します。
葉酸を多く含む食品
動物性食材
植物性食材
葉酸関連のエビデンス
葉酸配合強化による出生児の大脳皮質厚増加
米国において穀物製品への葉酸配合が強化されました。その結果、出生児への前頭部・側頭部の皮質厚が増加するとともに、加齢に伴う皮質の菲薄化が求められた、との報告が有ります。
妊婦への葉酸投与で児の神経管欠損低下
女性25万人を対象とした調査において、葉酸濃度低値では神経管欠損のリスクが上昇、高値で低下することが示されました。
妊婦への葉酸投与で児の自閉症リスクが軽減
児8万5000人を対象としたノルウェーの研究において、妊娠前後の母親の葉酸摂取により自閉性障害の発生率の低下が認められた、との報告が有ります。
妊娠期の鉄・葉酸補給で児の知的・運動機能が向上
妊娠期の微量栄養素補給に関する検証で、鉄+葉酸群の女性の子どもの知能・実行機能・運動機能検査スコアが有意に優れている結果が「米国医師会雑誌」に発表されています。
葉酸の過剰接種に注意!
葉酸は過剰摂取によるデメリットも多いビタミンです。推奨量は400μg/日、最大で1000μg/日と言われます。
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ビタミンB12の欠乏症の診断が困難になります。
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発熱、蕁麻疹の症状や、児の喘息リスク上昇の可能性が有ります。


