水素
H2
水素分子は最も小さな分子です。その分子量は「2」で、水分子(H2O)の「18」、酸素分子(O2)の「32」等に比べれば、格段に小さな分子です。
水素が燃えると水になり、クリーンなエネルギーとしても注目されています。
2H2 + O2 → 2H2O
この水素が体内に入ると、色々な効用があることがわかってきました。
水素水
数年前から水素水が話題となり、飲料として水素水や水素水の製造装置が販売されています。
水素水を服用することで、どんなメリットがあるのでしょうか?副作用は大丈夫なのでしょうか。。。
水素水の体内動態
体内動態とはある物質が体内に入ってから体内でどのように広がり(分布)、どのように分解され(代謝)、どのように体外へ放出されるのか(排泄)、を示すことです。
水素水を経口摂取した場合、水素分子はどのような経路を経て体外に出るのでしょうか。
水素は常温常圧で水1Lに対し最大で1.57ppm溶解すると言われます。
水素水を経口摂取すると分子が小さいため組織を簡単に透過し、まず胃に隣接する組織や臓器に移行します。
更に血液中に移行し、全身に運ばれ体中の臓器に移行します。
一般的に薬物が通過しにくい血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)も簡単に通り抜けて脳へも移行が可能です。
何度も言いますが分子が非常に小さいため、組織移行し更に生体膜を通過し細胞内に入り込み、核やミトコンドリアの中にも入ることができます。
余剰な水素は呼気から排泄されますが、体内で抗酸化物質として消費され水に代わる水素も少なくありません。
これがヒトの身体に良い影響を及ぼすと考えられます。
水素分子の還元力
酸化と還元は真逆の反応です。鉄(Fe2+)を酸化すると「サビ」(Fe3+)となりますが、「サビ」(Fe3+)を還元すれば鉄(Fe2+)に戻ります。
活性酸素(フリーラジカル)による酸化は身体の「サビ」なのです。
詳しくはこちらを。
この体内の活性酸素は身体をサビつかせ、様々な疾患の原因となります。水素は活性酸素を還元し消滅させてしまいます。
疾患に対する水素の効用
脳梗塞後遺症に対する作用
脳梗塞を発症すると梗塞部位周辺から活性酸素が発生し、周辺の脳細胞に多大なダメージを与え、後遺症が発生することがわかっています。この治療にはエダラボンという活性酸素を中和する医薬品が使用されます。
水素はエダラボン同様活性酸素を中和、消滅させる働きが有ります。
動脈硬化に対する作用
動脈硬化は酸化ストレスが原因の一つです。動脈硬化を発症させたマウスの試験では、大動脈でのアテローム形成(コレステロール等で血管が詰まって固くなること)が抑制され、脂質過酸化物(4-HNE)の減少が認められた、とのことです。
酸化ストレスが原因の疾患
酸化ストレスが原因の疾患には、動脈硬化、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症などの他、疾患ではありませんが老化の促進があります。
水素の強い還元作用即ち抗酸化作用が酸化ストレスに良い影響を与える可能性はあるのではないでしょうか。ただ、若干科学的エビデンスに乏しいことは事実です。
疾患にまで至ってしまった事例を速やかに改善するような効果は考えにくいところですが、プレメディケーションとして、生活習慣の中で水素水を利用する価値はあると考えています。
生活習慣の中で利用することによりリスク回避になれば、これ幸いです。また、水素水摂取による副作用がほとんど見当たらないことも利点の一つです。
