『ロコモ』、『ロコモティブシンドローム』という言葉、最近よく耳にしますね。
平均寿命が延びている日本では『健康寿命』こそが大切なんです。
ロコモティブシンドロームの要因と対策、フレイルやサルコペニアとの関連性について正しい知識を持ちましょう!
ロコモティブシンドローム
Locomotive syndrome
ロコモティブは直訳すれば「機関車」。ヒトの運動機能を意味します。
シンドロームは「症候群」。一連の障害や症状を示す言葉になります。
つまり、身体の運動に関連する器官である「運動器」に変調が生じることにより、運動機能が低下することを意味します。
ロコモティブシンドロームの要因
大きく「疾患」と「加齢」に分けてみます。
要因となる疾患
加齢による要因
ロコモティブシンドロームになると
日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)が確実に悪化していきます。
日常生活動作とは、朝起き上がる、トイレに行く、食事をする、お風呂に入る、着替えをするなど、日常生活での最低限必要な動作です。
最終的には「寝たきり生活」「要介護生活」となります。
健康寿命、即ち、より良い人生が短縮します。



ロコモティブシンドロームの予防
疾患が要因となる場合は、疾患の治癒を行う必要があり、自己の力のみでは困難でしょう。
しかし、健康な高齢者が体力・筋力を維持することにより予防することは可能と思います。
何度も書きますが、基本はやはり「食事」と「運動」です。
命のスクワット
下肢、特に大腿骨とその周りの筋肉への刺激は長寿の秘訣です。
歩行による骨への振動は骨代謝に良い影響が有ります。
また、オステオカルシンという若返り物質の分泌を促します。
詳しくはこちらを。
しかし、歩行による転倒で骨折などのリスクが有る高齢者は「スクワット」で同様の効果を得ることが可能です。
机に両手を置いたり、何かにつかまった状態で膝を曲げたり、逆に片脚を上げたりすることで、筋力や骨への刺激が可能です。
無理せず、しかし毎日少しでも行うことが大切です。
毎日しっかり栄養を
主食、主菜、副菜からバランスの良い食事を採ることはとても大切です。
エネルギー源である炭水化物
筋肉や臓器、血管組織を作るたんぱく質
エネルギーやホルモン等の原料である脂質
あらゆる組織に必須のミネラル分
補酵素として多くの役割を持つビタミン類
サプリメントの利用
ロコモティブシンドロームの要因を考えた時に、対策としてサルコペニアの改善が有用です。
サルコペニア(下記参照)は筋力の衰えなので、筋組織を老化を防ぐこと、栄養補給と運動が基本です。
栄養特にタンパク質の摂取は重要です。
栄養補助として、タンパク製剤やアミノ酸の補給は有効になります。
特にスポーツ選手などが使用しているBCAAの補給は高齢者においても有用と考えます。(ただし、投与量の調節は必要になります。)

無理なダイエットをしていると、骨粗しょう症やサルコペニアからロコモティブシンドロームへ進行する場合があるので、要注意です。
サルコペニアについてはこちらを。