納豆
納豆は蒸した大豆に納豆菌を付着させて40℃ほどで熟成させることで作ることができます。
昔は稲藁を湯につけることで雑菌を殺し、熱に強い納豆菌のみが付着した稲藁に蒸した大豆を包むことで製造していました。
納豆は生命力が強く、酵母菌を扱う酒蔵で働く人は納豆を食べて蔵に入ることができないと言われます。
タンパク質、カルシウム等のミネラル、ビタミンK等のビタミン類、食物繊維、大豆イソフラボンやレシチン、サポニンなど栄養価は高い一方、糖質によるカロリーは低いので、毎日食べても安心です。
タンパク質の成分であるナットウキナーゼはフィブリンという血栓の原因となる線維素を溶解する作用があり、いわゆる「血液サラサラ」な状態にしてくれます。
女性の味方イソフラボン
イソフラボンは植物性エストロゲン(またはフィトエストロゲン)とも言われ、女性ホルモン様の作用が有ります。
ダイゼイン、グリシテイン等のフィトエストロゲンが含まれています。植物性エストロゲンではプエラリアが有名ですが健康被害も出ています。
その点、大豆イソフラボンは安心して摂取できる栄養素です。
イソフラボンのがんリスク軽減効果
国立がん研究センターの「味噌汁、大豆、豆腐、油揚げ、納豆」の摂取量と乳がんの発生率の関連性についての研究から、大豆イソフラボンの摂取量が多いほど乳がんの発生率が低い結果が示されています。
特に閉経後の女性について、より顕著に発生率の軽減効果が認められた、とのことです。
イソフラボンと脳梗塞、心筋梗塞発症との関連性
同じく、国立がん研究センターのJPHC研究において、大豆イソフラボンの摂取量が多い女性グループで、脳梗塞のリスクが0.64倍、心筋梗塞のリスクが0.55倍、循環器疾患による死亡リスクが0.31倍低いことが示されています。
こちらも閉経後の女性において、よち高い軽減効果が認められています。
ナットウキナーゼの血栓溶解作用が効果を生み出しているものと考えられます。
イソフラボンについてはこちらもどうぞ。
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女性ホルモン様作用を有するイソフラボンとは
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更年期障害を撃退するスーパーイソフラボンの正体はエクオール
植物性女性ホルモン 大豆イソフラボンには女性ホルモン様作用があります。植物性女性ホルモンです。その作用はエストロゲンに似た作用であり、更年期症状の緩和に役立ちます。 しかし、すべての女性が大豆イソフラ ...
発酵食品で腸内細菌叢を整える
納豆や漬物、ヨーグルト、麹菌などの発酵食品は腸内細菌叢を整え、大腸がんの予防をはじめ、便秘改善や美白効果、ダイエット効果があるとされます。納豆は食物繊維も豊富なので、より高い効果が期待できます。オリーブオイルと共に納豆を摂取すると、より整腸効果が高まります。
免疫力もアップ、また花粉症にも
イソフラボンやサポニンの効果で免疫力を上げるのでインフルエンザにかかりにくく、また花粉症になりにくい身体を作るとも言われます。
サルコペニアにならない身体を作る
筋力の低下であるサルコペニアは虚弱な身体であるフレイルに結びつき、寝たきりになれば死亡リスクが一気に高まります。
良質なたんぱく質は勿論、ビタミンやミネラルを豊富に含む納豆は、筋力アップや丈夫な骨づくりには欠かせない優良食材であると言ってよいでしょう。
サルコペニアについてはこちらを。


