感染症

新型コロナウイルスに治療効果のあるとされる医薬品(2021.7更新版)

新型コロナ禍の時代となり、2020年に入ったころから新型コロナ感染症に対する治療薬の研究が始まりました。

様々な臨床研究データが収集され、世界各国で複数の治療薬の承認があり、治療薬として使用されています。

新たなエビデンスが得られたタイミングで、日本感染症学会より「COVID-19に対する薬物治療の考え方」が 更新され、現在第7版が公開されています。



 

 

COVID-19 治療薬等の対象と開始のタイミング

重症度に応じた治療薬が使用されています。

免疫暴走が重症化の一因となっていますので、ステロイド等の免疫抑制剤やリウマチの治療に用いられる免疫調整剤が有効的に働きます。

 

COVID-19に有効と推定されている医薬品

レムデシビル(ベクルリー)

レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬として開発された抗ウイルス薬です。

レムデシビルの作用はRNAポリメラーゼの阻害であり、同じコロナウイルスであるMERSに対して有効性が示されたとの報告が有ります。
重症患者の68%に有効とのデータが発表されました。
2020年5月7日に特例承認されました。

ベクルリー点滴静注液100mg、同点滴静注用100mg

(ギリアド・サイエンシズ)

200mg1回(Day1)

100mg1回(Day2以降)

10日間

ギリアド・サイエンシズによる臨床試験の結果、5日間投与例においても10日間投与と同程度の有効性が示されたとの報告が有ります。

評価は、「退院」「人工呼吸器・ECMOの必要性」「死亡」等、7つの指標で行われています。



ファビピラビル(アビガン)

ファビピラビル「アビガン」新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症の適応で富士フイルム富山化学が開発した医薬品です。

ウイルスの細胞内でRNAポリメラーゼを選択的に阻害することで、遺伝子の複製を阻害することによりウイルス増殖を防ぎます。

エボラ出血熱にも効果が示されたことで話題の医薬品です。

しかしリスクとして、動物実験で催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌となっています。

また、精液中へ移行することから、男性患者に対しても投与期間中から投与終了後7日間までは性交渉を控えるか、有効な避妊法の実施の徹底が要求されます。

この催奇形性の問題もあり、新型の鳥インフルエンザウイルス等が蔓延した場合の切り札として、政府が備蓄している医薬品です。

現在、新型コロナウイルスへの有効性の確認のための臨床試験が実施されています。

3,600mg(200mg錠9錠を1日2回)(Day1)

1,600mg(200mg錠4錠を1日2回)(Day2以降)

10~14日間

 

デキサメタゾン

デキサメタゾンはコルチコステロイドであり、抗炎症作用により有害な炎症反応を予防または抑制します。

デキサメタゾンとして6mg 1日1回 10日間(経口・経管・静注)

経口・経管:デカドロン錠4mg 1.5錠(必要時粉砕)

静注:デキサート注射液6.6 mg/2mL 1バイアル全量

 

バリシチニブ

関節リウマチの治療薬であるバリシチニブ(オルミエント)はヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーのJAK1及びJAK2分子に高い選択性を有するJAK阻害薬です。

※レムデシビルとの併用において

4mgを1日1回経口投与

総投与期間は14日間まで



トシリズマブ

ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であるトシリズマブ「アクテムラ」は関節リウマチ治療薬であり、インターロイキン6の働きを抑える作用があります。

重症肺炎時の炎症反応の暴走を抑える作用がると言われています。

 関節リウマチについては 1 回 8mg/kg を 4 週間隔で点滴静注
COVID-19 に対する治験では 8mg/kg を単回投与(最大800mgまで)

 

サリルマブ

ヒトモノクローナル抗体(IgG)1 であるサリルマブ「ケブザラ皮下注」は、ヒト IL-6 受容体 α サブユニット(IL-6Rα)に高い結合親和性を有し、可溶性及び膜結合型の両 IL-6 受容体(sIL6Rα 及び mIL-6Rα)を介するシグナル伝達を阻害します。

国内では既存治療で効果不十分な関節リウマチに対し承認されている薬剤です。

関節リウマチでは1回200mgを2週間隔で皮下投与

 

シクレソニド

シクレソニドは気管支喘息に適応となる吸入ステロイド喘息治療剤。特異的な抗ウイルス作用を持つことが報告されています。

無症状・軽症のCOVID-19患者に対するシクレソニド吸入剤の投与は推奨されていません。

 

その他の医薬品

インターフェロン

カモスタット

ナファモスタット

インターフェロンβ

イベルメクチン

フルボキサミン

コルヒチン

ビタミンD

亜鉛4

ファモチジン

HCV治療薬(ソフォスブビル、ダクラタスビル)

など

 

内部リンク

新型コロナウイルス感染症の経緯と問題点。今後の終息と克服の可能性に関する一考察

新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の経緯と問題点をまとめつつ、今後の終息の方向性、可能性を考察してみます。   新型コロナウイルス感染拡大の経緯 SARS-CoV-2抗体が無 ...

PCR検査とはどんな検査なのか。どこで実施されているのか?保険適応は?

新型コロナウイルス感染症COVID-19の勢いは止まりません。 ウイルス感染の有無を調べるためのPCR検査ですが、海外に比べ日本での実施件数が少ないのではないか?問題になっていますね。 PCR検査とは ...

PCR検査と抗体検査とは異なる抗原検査で新型コロナ感染者の特定が進むのか?

日本のPCR検査実施件数が世界各国に比べて少ないと言われています。 最近新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗原検査が注目され、富士レビオという会社から検査キットの薬事承認が申請されています。 ...

新型コロナウイルス感染症は集団免疫獲得でどう変わるのか?

免疫の獲得方法 免疫の獲得方法は2種類あります。 ・ワクチン接種による獲得 ・自然免疫の獲得 ワクチン接種 現在、ワクチン開発が急がれてはいますが、有効なワクチンの開発にはかなり時間がかかるものと考え ...

無症状も含めたコロナウイルス保菌者数を死亡率から予測!(更新版)

推定感染者数 更新日 感染者数 死亡数 死亡率 推定感染者数 2020/8/21 59,721 1,155 1.93% 192,500 死亡率に影響を与える因子 死亡率に影響を与える因子については下記 ...

新型コロナウイルスの正体と抗体

コロナウイルスには色々な種類が有ります。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はどんなウイルスでしょうか。 抗体による感染予防、免疫治療は可能なのでしょうか? 一番の関心事は抗体の強さでしょう。 ...

変異するウイルス…インフルエンザウイルスの正体と予防・治療

インフルエンザウイルスの種類   インフルエンザウイルスには大きく分けて3つの型が有ります。それはA型・B型・C型。 インフルエンザA型、インフルエンザB型はよく聞きますが、インフルエンザC ...

今、風疹が大流行~ワクチン後進国「日本」~

流行する風疹   今、国内で風疹が大流行しています。 患者の多くは30代から50代の男性です。 一度感染あるいは予防接種をした場合、通常は発症しない感染症です。なぜ今、風疹が大流行するのでし ...

にほんブログ村 健康ブログへ

にほんブログ村

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

はねかわ

医療の世界に身を置き、常に情報収集。エビデンス情報が確かな承認医薬品に加え、積極的なエビデンス収集がなされにくいサプリメントや健康食品にもスポットを当て、予防医学、プレメディケーションの分野に貢献できればと考えています。今後、お金の話も取り入れていきたいと思います。専門分野は薬学、有機化学。薬学修士。

-感染症

Copyright© 自分の力で健康、長寿、若返り! , 2021 All Rights Reserved.