低用量ピル
ピルは経口避妊薬として認可された医薬品です。その効果は高く、ほぼ100%の効果が有ります。
また、生理が安定化することにより旅行などのイベントに合わせて生理の時期をずらしたり、生理痛が緩和するメリットもあるようです。
なので、月経困難症に使用されることも有ります。


低容量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つのホルモンが含まれています。
卵胞ホルモンは子宮に作用し、受精卵が着床する子宮内膜を肥厚させる作用が有ります。
また、黄体ホルモンは子宮内膜に受精卵が着床しやすくしたり、体温を上昇させたりする作用が有ります。また、分泌量が減少することで子宮内膜を体外に排出させる作用も有ります。
これらのホルモンを服用したり、服用を止めたりすることで、生理の周期がコントロールされます。
21錠服用し7日間休薬するタイプや、プラセボ(偽薬)を含む28錠服用するタイプが有ります。

低用量ピルの副作用
重大な副作用
その他の副作用
ピルによる血栓症
もともと高用量ピルの血栓症を軽減する意味で低用量ピルが出てきました。血液凝固作用はエストロゲンの量と相関し、多いほどリスクが増大します。しかい低用量ピルでも血栓症のリスクはゼロにはなりません。
血栓は四肢、肺、心臓、脳、網膜等で発生し、下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状が発現します。
特に心筋梗塞、脳梗塞は命の危険がある重大な副作用で、脳梗塞では障害が残ることも有ります。
エストロゲンは肝臓に取り込まれて肝組織が刺激されます。その結果、フィブリノーゲンやプロトロンビンといった凝固系の活性が亢進し血栓ができやすくなります。
線溶系のプラスミノーゲンも増加します。
喫煙女性の脳梗塞リスク
一般的にピルを服用しない女性でも、喫煙女性は非喫煙女性に比べ2倍弱の脳梗塞リスクが有ります。
ピルを服用中の喫煙女性の場合では、リスクが約3倍になるというデータが有ります。
リスクファクターとして、
「35歳以上で1日15本以上の喫煙者」
は特に要注意となります。
喫煙の他に次のリスク因子も挙げられています。
高血圧 糖尿病 肥満 脂質代謝異常 抗リン脂質抗体症候群
