肺炎を起こす原因は様々あります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も症状の悪化により肺炎を起こします。
肺炎を起こすとどうなるのか?
肺炎を起こすことで体内に酸素が取り込めなくなり、酸欠状態になります。
医学用語ではサチュレーションの低下、酸素分圧(SpO2)の低下、と表現します。
SpO2
90%→呼吸不全の状態
75%→心虚血性変化をもたらす危険性
50%→意識障害や昏睡状態に至る危険性
最終的には死に至ります。
重篤化している状況でサチュレーションを上昇させるためには、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使用します。

増加しつつある肺炎
肺炎は肺の炎症疾患全般をいいます。その原因は多岐にわたっています。
細菌やウイルス等の感染による「感染性肺炎」と食物の誤嚥や薬剤が原因の「非感染性肺炎」に大きく分かれます。
日本人の死因の原因である三大疾患は悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患ですが、脳血管疾患を追い抜いて死因の第三位に肺炎が入りました。
詳しくはこちらを参照してください。
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日本人の疾患による死因を考えてみる
現在の疾患による死因 日本人の死因として挙げられる三大疾患は皆さんご存じですね。 三大疾患 悪性新生物(がん) 28.7% 心疾患 15.2% 悩血管疾患 8.7% 2015年(平成27 ...
市中肺炎と院内肺炎
市中肺炎とは
病院や診療所とは異なる日常環境において、ウィルスや細菌等による感染が原因の肺炎。
インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、モラクセラ、クレブシエラ、黄色ブドウ球菌、レジオネラ、マイコプラズマ、クラミジア等の細菌、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス等のウイルスが原因となります。
院内肺炎とは
病院や診療所に入院後48時間以内に発症した肺炎です。免疫力の低下や人工呼吸器装着が原因となり、治療が困難な場合が多いです。
黄色ブドウ球菌、緑膿菌、クレブシエラ、エンテロバクター、ステノトロフォモナス、セラチア、アシネトバクター、大腸菌等が原因となることが多いです。
肺の部位による分類
肺胞性肺炎
空気を貯める小さな小球を肺胞と言います。肺胞が炎症を起こす肺炎です。
気管支肺炎
気管支と小葉に炎症を起こす肺炎です。小葉性肺炎、カタル性肺炎とも言われます。
間質性肺炎
肺胞を支える間質が炎症を起こす肺炎です。
間質組織が繊維化(壁が厚く固くなり酸素が取り込まれにくくなります)し、肺線維症に進行する危険性が有ります。
菌種による分類
細菌性肺炎(定型肺炎)
細菌が原因である肺炎でほとんどが肺胞性肺炎です。
インフルエンザ桿菌、肺炎球菌、クレブシエラ、黄色ブドウ球菌、緑膿菌等の細菌による肺炎をいいます。
非定型肺炎
レジオネラ菌、マイコプラズマ、クラミジア、百日咳、Q熱コクシエラ等のβラクタム系抗菌剤が効果を示さない細菌による肺炎です。
ウイルス性肺炎
インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、サイトメガロウイルス等のウイルスによる肺炎です。
肺真菌症
カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ニューモスチス、ムコール等の真菌による肺炎です。
インフルエンザ桿菌とウイルス
非感染性の肺炎
誤嚥性肺炎
高齢者や寝たきりの患者さんは咳反射が弱く、嚥下機能が低下し、誤って食物や唾液を気管支から肺に誤嚥してしまいます。
特に口腔ケアが不十分な場合、多くの細菌等が肺に侵入して肺炎を起こしてしまいます。免疫機能が弱いと更に重症化します。

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歯のクリーニングで肺炎リスクが低下
歯のクリーニングは大切! ペガサス 孫悟空 龍じい口腔内ケアの重要性については、下記も参照してね♡ 歯周病と他の疾患との関連性 にほんブログ村 ...
閉塞性肺炎
肺がん等で気管支が閉塞し、起動や肺胞腔内に粘液がたまり、細菌感染することで肺炎となります。
薬剤性肺炎
抗がん剤の他、様々な薬剤が原因で起こる肺炎です。

肺炎の症状
咳、痰、呼吸困難、息切れ、発熱、悪寒、胸部痛、倦怠感等の症状が発現します。

