ツル性植物サラシア
サラシア属はインドやスリランカに自生するツル性植物であり、根の部分にサラシノール、コタラノール等のポリフェノールを含んでいます。
これらの成分はα-グルコシダーゼ阻害作用という薬理作用を有しています。
α-グルコシダーゼについて
α-グルコシダーゼは炭水化物(デンプンや多糖類)のα-1→4結合を加水分解する酵素ですが、スクラーゼやラクターゼもα-グルコシダーゼの一種です。
麦芽糖はグルコース2分子がα-1→4結合しており、α-グルコシダーゼにより加水分解されます。
ショ糖はグルコースとフルクトースがα-1→2結合しており、スクラーゼにより加水分解されます。
乳糖はグルコースとガラクトースがβ-1→4結合しており、ラクターゼにより加水分解されます。
加水分解により生成した単糖類は腸管内で吸収され、血液中に移行し、血糖値が上昇します。
サラシノールとコタラノール
サラシノールとコタラノールはα-グルコシダーゼ阻害作用を有する化合物です。
α-グルコシダーゼが阻害されると、炭水化物(デンプンや多糖類)の分解が抑制され、単糖類の生成が減少します。
結果、腸管からの糖の吸収が抑えられ、血糖値の上昇が抑えられます。
分解されなかった炭水化物の一部は腸内細菌による分解を受けたり、そのまま排泄されたりします。
腸内細菌、特に善玉菌の活性が高まります。
特に少糖類(単糖類が3個以上の低分子炭水化物)はビフィズス菌糖を増加させる効果が有ります。
脂肪吸収抑制の効果
サラシアにはポリフェノールやテルペン類が含まれており、脂肪を分解する酵素を阻害し、脂肪吸収を抑制する効果も有ると言われます。
サラシアの摂取のタイミング
サラシアを効果的に摂取するには、食事の前30分程が良いと言われます。
炭水化物より先に腸管に到達し、酵素活性を抑制させるのが効果的ということになります。
サラシアによる副作用
炭水化物が分解されないまま腸管に到達することで、腸内細菌の働きが活発になる反面、腸内にガスがたまり、腹部膨満感や腹痛、放屁が起こることが有ります。
また、血糖値の上昇が抑制されることから、血糖降下剤を服用している場合、低血糖症状が起こることがあるので要注意です。

