スクレロスチン知ってますか?
たんぱく質であるスクレロスチンは骨粗しょう症を引き起こす原因物質の一つです。骨細胞に特異的に発現し、骨形成を行う骨芽細胞の機能を抑制します。
このスクレロスチンの分泌が増加すると骨吸収(骨が溶けること)が更新して、やがては骨粗しょう症まで進行します。

骨細胞が出す命令
骨細胞は「骨を造る命令」と「骨を壊す(溶かす)命令」を行います。骨も細胞の一つであり、細胞は常に新しいものに生まれ変わりますので、造ることも壊すことも重要になります。
成長期には骨がどんどん伸長していきます。成人になり、骨の身長が止まりますが、常に骨の再生は続きます。
骨を造るスピードより壊すスピードが速まれば、骨がもろくなっていくのです。


骨への「刺激」がとても重要!
ヒトの身体は使えば強くなり、使わないと弱くなります。筋トレで筋肉量は増えますね。競輪選手の足も太ももはもの凄い厚さです。
骨も同様なんです。骨に刺激が伝わることで「骨を丈夫にせねば!」と骨形成が進むのです。
この刺激が減ることでスクレロスチンの分泌量が増加し、骨の破壊が進行します。普段運動をせず、ゴロゴロしていると、スクレロスチンが大発生するんです。
スクレロスチンを減らす運動
ミズーリ大学の研究では、骨量が少ない男性にジャンプ運動と筋トレにより骨への刺激を与え続けることで、一年後に骨量が上昇したことが報告されています。
骨量は25歳くらいを過ぎると減少に転じます。運動による骨への刺激で、骨の破壊を防止することができるのです。


スクレロスチンを抑制する薬
最近になってスクレロスチンを抑制する薬が登場しました。
「イベニティ皮下注」はモノクローナル抗体という糖タンパク質で、スクレロスチンの作用を阻害します。
月に1回、1年間投与され、骨折の危険性の高い骨粗鬆症に使用されます。
