ビタミンB6
ビタミンB6は水溶性ビタミンで、ピリドキサール(アルコール型)、ピリドキシン(アルデヒド型)、ピリドキサミン(アミン型)の3種類があります。
代謝型のピリドキサールリン酸 (PLP)が補酵素として働き、アミノ酸代謝、脂質代謝、糖新生(生体内で糖を造ること)、神経伝達物質の合成、ヘモグロビンの合成、遺伝子発現への関与等が知られています。
ビタミンB6が不足すると
皮膚炎、口角炎、口内炎、舌炎、湿疹、蕁麻疹、貧血、リンパ球減少症の他、うつや脳波異常等の症状があると言われます。
しかし、様々な食品に含まれており、腸内細菌による合成も行われるので、欠乏症は少ないと言われています。
大腸がんリスクとの関連性
大腸がんのリスクは、喫煙、肥満、加齢等の因子に関連するため、これらの要因を排除したうえで、ビタミンB6と大腸がんの発現について、5年間(男女約8万人)の追跡調査が日本国内において行われました。
追跡期間中に男性335人、女性191人、合計526人に大腸がんが確認されています。
その結果、男性でビタミンB6の摂取量が少ないグループと比較し、多いグループで30~40%発現リスクが低くなることが明らかになったそうです。

アルコール摂取との関連性
飲酒習慣のある人で、アルコール摂取量が週150g(日本酒7合相当)以上と未満に分けて解析したところ、摂取量が多い人については、ビタミンB6の摂取量が多い場合の大腸がんのリスク軽減効果が、より大きいことが示された、とのことです。

結腸・直腸がんとの関連性
スウェーデンの研究では、血中PLP濃度と結腸・直腸がんとの関連について、9つの研究をメタ解析(複数の研究を統合した解析)した結果、ビタミンB6を最も多く摂取した群では、最も少なかった群と比較し、リスクが10%低減したことが報告されています。
ビタミンB6を多く含む食品
肉や魚、豆類、ナッツなどに多く含まれています。特にマグロ、カツオ、バナナ、にんにくに多いようです。

